パン作りは人作り、自分作りだと思っている。

おいしいパンを作り続けるためには、まず体力が必要だ。

毎日のちょっとしたフットワークを欠かさずやっていかないと

筋力が衰えてしまう。

睡眠も大事だ。

睡眠不足は集中力が欠ける一番の原因なので、質の高い眠りを

心掛けたい。その為にはなるべくストレスを溜めこまないように、

普段からプラス思考で望みたい。

さらに臨機応変な対応と思いやりの心も持ちたい。


イースト菌は気温や湿度などのちょっとした環境の変化や、取り扱い方

などの対応の仕方によっても微妙に変わってくるからだ。

実際、無理やり伸ばしたたりすると反発して縮んでくる。

最近パンをカットした時の一瞬の香りと、カットした時に感じる

ナイフの先の感触と、押した時の弾力、そして顔色やキメの感じで

どんな出来具合かわかるようになってきた。


人間のメカニズムは神秘的ですばらしいと思っている。

免疫力が人の三分の一であってもこうして風邪一つひかず、毎日健康に

過ごさせていただいている。

パンを食べられなくなったので、パンの味は手や鼻や目がカバーして

教えてくれる。

人間は完璧な状態は望めない。

しかし欠けているところは違ったものでカバーできるようになっている。

このすばらしいメカニズムに、改めて感謝したい。